ウォールナットとは?使用されている家具や他の木材との違い

家具に使用される木材にはさまざまなものがあり、樹種によって色味や特徴に違いがあります。今回のテーマは、人気の樹種のひとつであるウォールナットです。

ひと口にウォールナットといっても、産地や生育の仕方によって種類が異なります。ウォールナットの種類とそれぞれの特徴、メリットやデメリットを解説します。ウォールナットがよく使われる家具や、その他の木材との特徴の違いも見ていきましょう。

ウォールナットとは

クルミ科クルミ属に分類される、落葉広葉樹です。高級木材のひとつであり、美しく整った木目や、重厚感のある雰囲気が特徴です。

厳しい寒さの中でゆっくりと育つため、硬く粘りのある材質を持ちます。耐久性や耐衝撃性があり、加工性にも優れているので、テーブルやテレビボードなどの家具やアンティーク家具、床材などさまざまな用途があります。

ウォールナットの幹は太く、同じ木の中でも色のグラデーションがあるのが特徴です。中心部は暗褐色で、辺材は灰白色と茶色のマーブル模様が見られ、色のコントラストによって奥行きを感じられるでしょう。

時間の経過によって色味が変化していく様子を楽しめます。紫外線を吸収すると、黄味がかった明るい茶色や、まろやかでやさしい色合いへと変化していきます。使い込むほどに味わい深くなるでしょう。

ウォールナットの種類

産地などの違いから、ウォールナットにはいくつか種類があります。同じウォールナットでも、色味や木目の雰囲気、特徴などが異なるため、それぞれの特徴を理解しておきましょう。

アメリカンブラックウォールナット

ウォールナットというと、一般的にはアメリカンブラックウォールナットであることが多いようです。アメリカ北東部やカナダなどの北米大陸を産地とし、古くから高級家具材や工芸用材などに活用されてきました。

木の中心となる心材と、その周辺にある辺材の境目が明瞭なのが特徴です。心材はダークブラウンや紫がかった薄褐色や濃褐色で、辺材は乳白色などの淡い色であり、色のコントラストが見られます。

重厚感がありながらも、繊細な模様の美しさも感じられます。衝撃に強く、強度や粘りがあるのも特徴です。

無垢材は湿度によって膨張や収縮をするため、使っていくなかで変形することがありますが、アメリカンブラックウォールナットはこういった狂いが少ないのが魅力のひとつです。加工性もよく、繊細な加工にも適しています。

木肌はやや荒めですが、ペンキやステインなどの塗料によく馴染むのも特徴です。ツヤ出し加工によって美しい仕上がりになります。

オレゴンウォールナット

アメリカンブラックウォールナットの中で、オレゴン州を産地とするウォールナットです。オレゴン州は自然環境に恵まれた地域で、アメリカ西海岸に位置しています。

産地が限定されるため希少性があり、特に大きな一枚板のテーブル天板などは高値で取引されることもあります。高樹齢のものも多く、ダイナミックで存在感のある立木の姿が特徴で、天板や家具となってもその存在感を堪能できるでしょう。

ヨーロピアンウォールナット

ヨーロッパのほぼ全域に生育しているウォールナットです。同じ樹種の木が、中東や中国、トルコなどにも分布しています。イングリッシュウォールナットなどと呼ばれることもあります。

ヨーロッパを中心に、食用として親しまれている木材でもあります。クルミの実だけでなく、木材としても高い評価を得ています。

強度はやや高くて耐久性があり、古くから家具や内装材、装飾の材料などに利用されてきました。手道具でも機械でも加工できて割れにくく、釘などで接着しやすいなどの特徴もあります。

やや赤みが強く、アメリカンブラックウォールナットよりも色合いが薄くて、やわらかな色味が多いのも特徴です。辺材は淡灰褐色、心材は暗灰褐色で、辺材と心材の境目が分かりやすくなっています。

クラロウォールナット

北アメリカ産のブラックウォールナットに、ヨーロッパ産のウォールナットを接ぎ木してつくられた木材です。まだ成長していないうちに接ぎ木することで、もともとのウォールナットとは異なる特徴をもつ木材となります。

樹高は低めであり、幹があまり大きくならず、ゆっくりと成長するのが特徴です。家具材として使える大きさになるまでには、長い年月がかかります。

辺材は淡い黄褐色、心材は濃い赤褐色で、色合いに深みがあります。接ぎ木による反発からできる木目や模様が見られたり、接ぎ木部分にうねったような木目が見られたりすることもあり、独特な木目や模様を楽しめるでしょう。

クラロウォールナットを使用した家具で人気なものとして、一枚板をそのまま天板として使用したテーブルが挙げられます。唯一無二の木目や木の形を堪能できます。

バストゥーンウォールナット

前述のクラロウォールナットが、ブラックウォールナットと自然な状態で交配してできるのがバストゥーンウォールナットです。クラロウォールナット自体が接ぎ木でつくられる樹種であり、そこからさらに交配するため、多くの過程を経る必要があります。そのため、流通量が少なく、希少な種類であるといえます。

接ぎ木によって、独特な木目や複雑な模様が見られるのが特徴です。バストゥーンウォールナットの木目には、くっきりとした黒のラインがよく見られます。

接ぎ木部分にはうねったような木目や、躍動感のある模様も出現します。他にはない、芸術的ともいえる不思議な模様を堪能できるでしょう。バストゥーンウォールナットとして売られているものであっても、それぞれで木目や模様が異なります。

ウォールナットが使用されている家具

テーブルマット匠と日美コタツダイニングテーブルやリビングテーブル、ワークデスクの素材として、ウォールナットはよく使用されています。一枚板を天板としたテーブルであれば、木の形や独特な木目をそのまま楽しむことが可能です。

その他にも、チェストやシェルフ、キャビネットなどの収納家具にも使われます。リビングや寝室、和室などさまざまな部屋にマッチしやすいでしょう。

暗めの色味が他のインテリアとなじみやすく、上品で重厚感のある雰囲気を演出できます。日常的に使用する家具だけでなく、アンティーク家具にも活用されています。

ウォールナットと他の木材との違い

ウォールナット以外にも、木材にはさまざまなものがあります。主な木材の種類とそれぞれの特徴を見ていきましょう。

オーク

ブナ科コナラ属の落葉広葉樹で、北アメリカやヨーロッパ、日本などに分布しています。産地によって木目や大きさが違うのが特徴です。

オークは耐衝撃性、耐久性に優れており、しなりがあって加工しやすいため、家具や床材、建材などに使われてきました。ウォールナットと同様に、高級家具やアンティーク家具に活用されることも多い樹種です。

また、耐水性にも優れており、ワインやウイスキーの樽や、船舶の材料としても活用されてきた歴史があります。

明るい色合いのため、北欧テイストなどのナチュラルなインテリアにも合います。飽きのこない、自然な雰囲気を演出できるでしょう。

クルミ

クルミというと、日本に広く分布しているオニグルミという種類の木を指していることが多く、同じクルミ科であるウォールナットと比べると安価で手に入ります。

耐久性が高く、加工もしやすいため、日本では古くから家具材として使用されてきました。ウォールナットと比べるとクルミは少しやわらかいのが特徴です。

見た目は明るく自然な色合いで、美しい木目を楽しめます。心材は橙色に近い褐色で、辺材は白や灰色っぽい色をしており、境目が明瞭です。

ヒノキ

ヒノキは、日本人にとってなじみのある針葉樹であるといえます。針葉樹の中の高級木材で、やわらかな手触りや光沢のある上品な木目が特徴です。年月の経過とともにツヤが出て、味わい深くなるのを楽しめるでしょう。

歴史的な木造建築にも取り入れられるほど、耐久性があるのも特徴です。国産のヒノキに含まれる「ヒノキオール」という成分は、防虫効果や防蟻効果が期待できます。

ヒノキの独特の香りには、消臭効果やリラックス効果があるといわれています。用途の幅も広く、家具や床材、お風呂などのさまざまな場面で使用されています。

スギ

日本各地に分布する、日本特産の代表的な樹種であり、スギ科スギ属の常緑針葉樹です。中心部分は赤褐色、周辺は白っぽい色をしており、木目は鮮明でまっすぐにのびています

加工性がよく、建築用材や建具材、床や天井の仕上げ材などのさまざまな用途があります。木材の中でも軽いのが特徴で、持ち運びに便利な折りたたみ家具などにも使われます。

気密性が低く、湿気をためにくいので、反りなどの変形が起きにくいのも特徴です。ただしやわらかい素材のため、凹み傷などが気になることもあります。

パイン

針葉樹であるマツを加工した木材のことです。日本に限らず、世界中にさまざまな種類のマツが存在しています。

パイン材の色味は明るく、黄色に近い白っぽい色をしていますが、経年変化によって褐色に変化していきます。木目の節は多めです。

やわらかい素材のため加工しやすいものの、傷が付きやすいという特徴もあります。家具や床材などに使用する場合は、コーティングするなどして保護することもあります。

パイン材は生産量が多く、安定供給しやすい木材です。比較的手ごろな価格で手に入るのも魅力のひとつといえます。

ウォールナットのメリット

ウォールナットを使った家具などを使うことで、得られるメリットを5つご紹介します。

衝撃に強くて壊れにくい

広葉樹であるウォールナットは、密度が高くて重く、硬いという特徴があります。ライフル銃などの銃床にも使用されるほど、耐衝撃性に優れています。

物を落下させるなどの衝撃を受けた場合でも壊れにくいので、長く使えるでしょう。硬い素材のため傷が付きにくく、引っかき傷や凹み傷なども生じにくいです。

狂いが少ない

自然なままの無垢材は、梅雨などの湿度の高い時期は湿気を吸収して膨張し、乾燥する時期は水分を放出して収縮するといった調湿効果を持ちます。調湿効果は部屋の湿度を快適にしてくれるメリットがある反面、割れや変形が生じやすくなるなどのデメリットも持ち合わせています。

乾燥処理を十分に行った後のウォールナットは、湿気の吸放出による縮みや反りなどの狂いが起きにくいのが特徴です。長く使用しても割れなどが起こりにくいため、愛着をもって使い続けられるでしょう。

触り心地がよい

触り心地は樹種によって異なりますが、ウォールナットは滑らかな手触りが特徴です。広葉樹は密度が高くて硬いため、つるんとした触り心地になります。

日常的に手が触れる機会の多いテーブルの天板や、素足で歩くフローリングなどにウォールナットを使用することで、使い心地がよくなることが期待できます。ジメジメとする梅雨の時期でも、素肌や素足が触れた際にべたつきにくく、快適に過ごせるでしょう。

高級感が出る色合い

重厚感のある濃いこげ茶色によって、インテリアに高級感をプラスしてくれます。深みのある茶色や黒、紫、赤の色味が重なり、独特の濃淡によって奥行きのある色のコントラストを楽しめます。

このように自然に生まれる美しいグラデーションは、ウォールナットの魅力のひとつといえます。その人気ぶりは、ウォールナット色として、違う木材を塗装することでウォールナット風にしている家具もあるほどです。

経年変化を楽しめる

自然なままの無垢材は、経年変化を楽しめるのも特徴です。ウォールナットは年月が経過するとともに、徐々に黒が抜けていき、黄色っぽい明るい茶色へと色味が変化していきます。これは、紫外線を吸収することによって起こる現象だといわれています。

木肌はツヤっぽく変化していき、木目がはっきりと浮かび上がるようになり、使い始めの頃とはまた違った魅力を感じさせてくれるでしょう。使い込むほどに変化していく様子を楽しみながら、愛着をもって長く使うこともできます。

ウォールナットのデメリット

人気の樹種であるウォールナットですが、知っておきたいデメリットもあります。

他の木材に比べて価格が高い

ウォールナットは高級木材といわれており、他の木材よりも価格が高い傾向にあります。その理由は2つあり、ひとつめは木の成長自体がゆっくりであることが影響しています。木材として使えるようになるまでに長い期間が必要なことから、大量に生産することが難しいのです。

もうひとつは、木の断面の中で白っぽい部分が多くあり、濃い茶色の部分が少ないためです。1本あたりから採取できる木材の量が限られていることから、希少価値が高まって価格も高くなります。

ウォールナットは人気のある樹種のため、中には着色することでウォールナットと偽っているものもあるようです。ウォールナットにしては価格が安いといった場合には、注意しましょう。

変色しやすい

濃いこげ茶色はずっと続くものではなく、年月が経過するとともに黒が抜けていき、明るい茶色へと変化していきます。そのため「濃いこげ茶色を好んでウォールナットを選んだのに、変色してしまった」ということも起こり得る点には注意しましょう。

変色は紫外線を吸収することによって起こる現象であるため、一部分にだけ日光が当たった状態が続くと部分的に色が変わってしまうことがあります。全体的に色が変わるのと違って、部分的に変色すると色あせたように見えてしまう可能性もあるので、定期的なメンテナンスが必要です。

汚れが目立ちやすい

濃いこげ茶色は、重厚感のある落ち着いた見た目になりますが、白っぽいホコリや汚れが目立ちやすいのが難点です。ホコリが白くうっすらと見えていては、高級感のあるウォールナットの魅力を活かしきれなくなってしまいます。

テーブルの天板やフローリングに飲みこぼしや食べこぼしをしてしまうこともありますよね。シミになると目立ちやすくなるため、なるべく早く拭き取る必要があります。

ウォールナットテーブルを利用するならテーブルマットとセットがおすすめ

高級感のある色合いや美しい木目が魅力のウォールナットは、テーブルの天板に使用されることもよくあります。たとえばダイニングテーブルであれば、食器類を置くときの傷や、食べこぼしや飲みこぼしによる汚れが気になることもあるでしょう。

ウォールナットテーブルの天板自体に傷や汚れが付くのを防ぎ、きれいな状態で使い続けるためには、テーブルマットとセットで利用するのがおすすめです。木製の天板は汚れによるシミが気になることもありますが、撥水性のあるマットで保護することで掃除がしやすくなり、汚れが染み込んでシミになるのも防いでくれます。

クッション性のあるテーブルマットであれば、カトラリーやお皿を置くときにカチャカチャと鳴る音を軽減する効果もあります。透明のテーブルマットなら、こだわって選んだウォールナットの素材感や色合いを損なわずに、そのまま楽しむことが可能です。

まとめ

ウォールナットは美しく整った木目や、重厚感のある色合い、自然な色のコントラストが魅力の木材です。ひと口にウォールナットといっても産地の違いなどからさまざまな種類があります。

丈夫で狂いが少なく、加工性にも優れたウォールナットは、テーブルの天板やチェストなどの日常的に使用する家具や、アンティーク家具などにも使われています。一枚板を天板としたテーブルなら、木の形や木目をそのまま楽しめます。

ウォールナットテーブルは、テーブルマットとセットで使うことで傷や汚れを防ぎ、きれいな状態をキープできます。透明のマットであれば、こだわって選んだ色合いや素材感をそのままに、傷や汚れを防ぐことが可能です。


テーブルマット匠専門店はこちら
MENU
テーブルマット匠線御店:電話でのお問い合わせ