木材にはさまざまな種類があり、木目・耐久性などに違いがあります。なかでも、オーク材は堅くて重いため、傷が付きにくいのが特徴です。また、耐久性が高いため、しばしばダイニングテーブルの天板に活用されています。
本記事では、オーク材の特徴や種類、メリットとデメリットについて、詳しく解説していきます。長く使い続けられる家具をお探しの方は、ぜひ参考にしてください。
オーク材の種類
オーク材の種類では、下記の4種類を解説します。
ナラ(ミズナラ)
ホワイトオーク
ヨーロピアンオーク
レッドオーク
ひとつずつ見ていきましょう。
ナラ(ミズナラ)
ナラは、北海道・ロシアなどの寒い地域で育ちます。細かい木目が特徴であり、建築建材や家具などに施工される例があります。
また、耐水性に優れているため、ウイスキー樽に使用しても液体が漏れる心配はいりません。万が一、ナラでできた床に食べ物を落としてしまっても、シミになりにくい木材であるため安心です。
北海道のミズナラは、白檀や伽羅の香りがするのが特徴で、高級材としても高く評価されています。美しい木目はナラ材ならではの魅力であり、ナチュラルカラーの家具の素材に適しています。
ホワイトオーク
ホワイトオークは、アメリカなどの北東部が主な産地です。色が白く、木目が美しいのが特徴のひとつです。板目にカットしたときには力強く、柾目にカットしたときにはまっすぐで美しい木目を楽しめます。
ホワイトオークは重くて堅いうえに、キズに強いのが一番の魅力です。また、耐水性があり水分が浸透しにくいため、ダイニング家具に適しています。
万が一、食べ物や飲み物をこぼしてしまっても心配はいりません。また、強度や耐久性に優れていることから、ワイン、ウイスキーやバーボンなどの熟成樽に用いられています。
ヨーロピアンオーク
ヨーロピアンオークは、ヨーロッパのほぼ全域に生育しています。色合いは黄褐色の木材ですが、時が経つに連れて茶褐色に変化します。また、十分な堅さと耐久性に優れているのが特徴です。耐水性に優れているため、こちらもワイン樽やウイスキー樽に用いられています。
また、高級家具の材料やフローリングなどの内装材にも使用されており、どんなインテリアにも合わせやすい人気の木材です。一方で、乾燥には時間がかかってしまい、乾燥中に割れる危険性がありますので注意が必要です。
レッドオーク
レッドオークは、カナダやアメリカが産地です。力強く赤みがかっていて、重厚感があるため、ダイニングテーブルやチェアなどに使用されています。また、フローリング材、建築材などにも使用されており、幅広く使われている木材です。
レッドオークには「美しい木目を楽しめる」「堅くて頑丈で長く使える」と2つの魅力があります。傷が付きにくいため、小さなお子様がいるご家庭でも安心して使用できます。ただ、液漏れがしやすいので、ウイスキーやワイン樽の材料の使用としては向いていません。
オーク材の木目
オーク材の丸太を板に加工する際に、どのような挽き方をするかにより、木目の現れ方が変わります。オーク材には、下記の3種類の木目表情があります。
板目
柾目
虎斑
ひとつずつ見ていきましょう。
板目
「板目」は、一般的な木目であり、丸太を縦にスライスして板に加工したものです。1本の木から切り出せる量が多く、安価なため、床材は板目のものが多くなります。
オーク材の板目は、オークらしい山形の木目がはっきりと力強く現れるのが特徴です。家具にしたときには、重厚感がある雰囲気を作ってくれます。広い面を使用できるテーブルなどに使用されています。
柾目
「柾目」は、丸太の中心付近を切り出したときにできる木目です。木目が美しいのは一番の魅力であり、それ以外には割れにくい特徴があります。まっすぐな木目は切り出せる部分が決まっているため、幅広く切り出すのは困難です。
近年、木材が減少しており、太い幹の木も少なくなってきているため、幅が広い柾目を手に入れるのは難しいです。また、採れる量も少ないので、価格は高くなります。モダンでスタイリッシュな雰囲気にしたい場合は、柾目のものを選ぶとよいでしょう。
虎斑
木材の柾目を切り出すときに、虎の毛のように見える「虎斑」という特徴的な木目が見つかるケースがあります。
どんな木にも現れるわけではなく、カシ・ナラ・ブナなど、ブナ科の木によく見られる模様です。取れる量が少なく、なかなか手に入れられないため、貴重で高価な木目です。
木目のなかでも装飾性が高く、美しいものになります。ブナなどの木は、いろいろな家具に用いられているため、お部屋にある家具を眺めてみると「虎斑」を見つけられるでしょう。
オーク材の特徴
オーク材は木目が美しく、耐久性に優れているのが特徴です。オーク材には、どんなメリットやデメリットがあるのか解説します。
メリット
メリットは、下記の6つです。
耐久性・耐水性に優れている
木目を楽しめる
高級感がある
変形しづらいため長年使える
防虫効果がある
安価で手に入れられる可能性がある
ひとつずつ見ていきましょう。
耐久性・耐水性に優れている
堅くて傷がつきにくいのがオーク材ならではの特徴です。また、耐水性に優れているため、飲み物などをこぼしてしまってもしみになりにくいでしょう。
小さい子どもがいるご家庭など、家具の傷や汚れが気になる方に適している木材です。物を落としてしまっても傷が付きにくいため、床フローリング材としても人気があります。
木目を楽しめる
切り方によってさまざまな木目を楽しめます。「柾目」「板目」「虎斑」の3種類の木目があり、違った美しさがあります。
柾目:シンプルであるためナチュラルテイストの家具に使用
板目:はっきりとした木目が重厚感を演出してくれます
虎斑:銀色に輝き、質の良い木材
なかでも虎斑はオーク材ならではの特徴であり、必ず現れるものではないため、希少価値が高いです。虎斑が目的でオーク材の家具を選ぶ方もいるほどで、どの木目を選んでも美しく魅力的でしょう。
高級感がある
オーク材のなかでもナラは高級感があり、古くから高級家具などに使用されています。ナラの最大の特徴は虎斑であり、どんな木にも現れるわけではなく、貴重で高価な木目です。
虎斑が見られることから、高級家具として証明されており、人気があります。インテリア家具として活用でき、高級感のある色味がお部屋の雰囲気を格上げしてくれるでしょう。
変形しづらいため長年使える
無垢材は、湿度を吸収・放出して伸び縮みする性質があり、木材の種類によっては変形しやすくゆがみや割れが起きる可能性があります。
一方で、オーク材は、堅くて伸縮しにくいため、変形やゆがみの心配はいりません。家具にオーク材を使用しても変形しづらいのはメリットです。
防虫効果がある
タンニンという成分が含まれているオーク材には、防虫効果があります。シロアリのような虫食いが起きると、家具が長持ちしません。家具の木材をオーク材にすれば、虫食いを気にしなくて済むでしょう。
安価で手に入れられる可能性がある
広葉樹のなかでもオーク材は、安価で手に入れられる可能性があります。なぜなら、ホワイトオークなどは北米で入手しやすくて、産出量が多いからです。安価で手に入れられる可能性がありますが、木目によって値段が変わりますので確認が必要でしょう。
板目と呼ばれる模様の場合は安く、希少な模様が入った木材は値段が高いです。購入をする際には、木目の使途や使用する部位に応じて選ぶと良いでしょう。
デメリット
デメリットは、下記の2つです。
熱伝導率が高い
定期的にメンテナンスが必要
ひとつずつ見ていきましょう。
熱伝導率が高い
オーク材は堅くて重圧感があり、空気をあまり含んでいないため、熱伝導率が高いです。そのため、冬場はオーク材の床に肌が触れた瞬間に体温が奪われますので、ヒヤッとした感覚になります。冬場はスリッパや靴下を履いて、十分な断熱対策をしましょう。
定期的にメンテナンスが必要
オーク材や無垢材にしても定期的なメンテナンスが必要です。たとえば、フローリングに使用している場合は、オイル塗装をしないと傷が目立ってしまいます。
頑丈であり傷が付きにくい木材でも、長期間使用すると傷は付いてしまうので、傷を軽くするためにも定期的なメンテナンスが大事です。もし、ダイニングテーブルの傷が気になる場合は、テーブルマットの購入を検討してみましょう。
オーク材とその他の木材の違い
オーク材以外の材木に、チーク材やパイン材などがあります。どんな違いがあるのか見ていきましょう。
チーク材との違い
オーク材とチーク材では、まず、色味に違いがあります。オーク材の色味は、明るくナチュラルな色であり年月を経ると褐色に変化していきます。一方で、チーク材の色味は黄白色であり、年月を経ると美しく濃い黄金色へと変化していくのが特徴です。
また、オーク材とチーク材では価格帯の目安に違いがあります。フローリングの価格帯で比較すると、オーク材が5,000円〜10,000円くらいであるのに対して、チーク材は6,000円~12,000円くらいです。チーク材の方が少しだけ高価であるといえます。
パイン材との違い
パイン材は、木肌が柔らかくて傷がつきやすいのが特徴です。ものを落とすと、すぐに傷がついてしまうところがオーク材との違いです。
パイル材には「温かみある肌触り」「吸収性能が高い」「ナチュラルな木目が美しい」などのメリットがあります。テーブル・椅子などの家具に使われています。美しい木目を活かすためナチュラルテイストな家具に仕上げられる場合が多いです。
少しの傷であれば家庭で修繕ができるため、長く愛用できる家具をお考えならパイン材を使用した家具がおすすめです。
ブナ材との違い
オーク材もブナ材も家具や建材に使用される木材であるのは同じですが、色や木目などに違いがあります。オーク材の色は、黄土色や茶色であり、木目は大きくはっきりしています。
一方で、ブナ材は、色が白っぽくて木目は大きくありません。水分を多く含み、乾燥しにくい木材であるため、カビ、腐れが起きやすいです。床材などに使用する場合は、十分に乾燥されているか確認が必要になるでしょう。
ブナ材は、色が白っぽいのでナチュラルな雰囲気があり、北欧家具などによく使用されています。
ビーチ材との違い
ビーチ材との違いは、色味と木目です。ビーチ材は、赤みがかったクリーム色で木目はおとなしいですが、オーク材の場合は黄土色〜茶色系で木目が目立ちます。
ビーチ材を家具に使用するとインテリアに馴染みやすく、つるつるとした肌触りが心地よいでしょう。一方で、乾燥処理が不十分だと反りやすいので注意が必要です。
あまり聞き慣れない材木ですが、家具・木製玩具・楽器などに使われています。ビーチ材は、シンプルな家具好きの方に適している木材です。
アルダー材との違い
オーク材と比較すると、アルダー材は、木肌が柔らかくて傷がつきやすいという違いがあります。物を落とすと傷がつきやすいので、小さなお子様がいるご家庭では注意が必要です。
アルダー材には、木目や節が主張しにくく優しい風合いを持ち、柔らかい材木で加工しやすい特徴があります。木の温かみを感じられるアルダー材は、さまざまな用途で用いられています。たとえば、家具の場合は、ダイニングテーブル・ラック・ベッドなどです。
アルダー材の家具は、カントリーテイストや北欧テイストに合います。北欧テイストにして、部屋全体を明るくしたい方におすすめできる木材です。
そのほか、アッシュ材の特徴もこちらの記事で紹介しています。
オーク材が使用されている家具
堅くて重厚で、耐久性に優れたオーク材がよく使用されている家具は、下記のとおりです。
ダイニングテーブル
ダイニングチェア
ソファ
チェスト
サイドボード
ひとつずつ見ていきましょう。
ダイニングテーブル
オーク材は堅く重厚で耐久性に優れており、傷が付きにくいため、ダイニングテーブルとしても長く使用できます。また、耐水性にも優れているので飲み物をこぼしてしまっても、サッと拭き取るだけで済みます。
美しい木目と木の温もりにより、落ち着いた空間を演出してくれます。オーク材が使用されているダイニングテーブルを選んでみましょう。
ダイニングチェア
ダイニングチェアにもオーク材がしばしば使用されています。色・デザインが豊富にあるため、ご自身のお部屋に合うものを選ぶとよいでしょう。木目が美しい木材を選ぶと、北欧風のお部屋に仕上がります。
また、オーク材は、年月を経ると明るくなるものと暗くなるものがあるため、色合いの変化を楽しめます。ダイニングテーブルとあわせて、オーク材が使われているダイニングチェアを選んでみましょう。
ソファ
お部屋でゆっくりと休むときに利用するソファにも、オーク材が使用されています。堅くて重厚な無垢材は、耐久性に優れていて長く使用できるのが特徴です。
ナチュラルな木のフレームは、ほかの家具と相性がよく、お部屋の雰囲気を明るくしてくれます。ご自身の生活スタイルに合わせて、丈夫で座り心地のよいソファを選んでみましょう。
チェスト
チェストは、素材やデザインの選び方によりお部屋の雰囲気が変わります。明るい色味が特徴である木材にすると、柔らかい雰囲気のお部屋に仕上げてくれます。チェストは洋服や小物類の出し入れで使用する機会が多く、傷を付けないようにしたいところです。
傷を付けてしまうと目立ちますので、オーク材を使用したチェストがおすすめです。ご自身のお部屋の雰囲気やスタイルに合わせて、チェストを選んでみましょう。
サイドボード
サイドボードは、背が低くてコンパクトであり、収納力の高さが特徴です。従来は食器を収納する際に使用されていましたが、今ではテレビ台・本棚・部屋の間仕切りとしても利用できます。食器棚に食器を収納する際に傷がつきにくいのはメリットです。
木目が美しいサイドボードを取り入れて収納すれば、おしゃれなお部屋になります。おしゃれで高級感のあるオーク材が使われているサイドボードを選んでみましょう。
まとめ
本記事では、オーク材の特徴・種類などについて詳しく解説しました。オーク材を使用した家具は、とても堅くて重いため、傷が付きにくく耐久性に優れています。また、伸縮しにくく変形しづらいため長く使い続けられるメリットがあります。
木目が美しいオーク材を使用したダイニングテーブルやソファがあると、おしゃれな雰囲気のお部屋になるでしょう。オーク材を使用した家具は傷が付きにくいため、小さいお子様がいるご家庭でも安心して使用できます。
しかし熱伝導率が高く、冬場に触れるとひやりとした冷たさを感じるでしょう。とくに素手が触れることの多いテーブルでは、毎日の使用がストレスにつながるおそれもあります。
そうしたストレスをなくし、オーク材の美しい木目や高級感ある見た目を損なわない方法が、テーブルマット匠の使用です。一般的なビニールマットに比べ、透明度の高いテーブルマット匠は、木材の繊細な色味を邪魔せず使用できるでしょう。