会社や自宅でのデスクワークで、肘や腕が痛くて困った経験はありませんか?肘の付け根から手首にかけての筋が痛む場合は、テニス肘の可能性があるかもしれません。
テニス肘は、テニスという呼ばれ方こそしていますが、テニスをしている人だけがなるものではなく、デスクワークや家事をしている方でも発症する可能性があります。
本記事では、テニス肘の概要から今すぐできる対策まで、具体的に解説しています。デスクワークで肘や腕が痛いとお悩みの方は、ぜひ参考にしてください。
テニス肘とは
テニス肘とは、腕の外側にある手首を動かすための筋肉が痛む症状のことです。テニス肘には大きく分けて、上腕骨外側上顆炎と上腕骨内側上顆炎の2種類が存在します。
テニス肘の8割以上は、上腕骨外側上顆炎であるとされており、一般的にテニス肘と呼ぶ場合、ほとんどのケースでは上腕骨外側上顆炎を指します。
上腕骨外側上顆炎は、テニスでいうバックハンドの打ち方でよく使う腕の形を想像するとわかりやすいでしょう。一方で、フォアハンドの打ち方で使う屈筋群の炎症を、上腕骨内側上顆炎と呼びます。こちらはゴルフ肘とも呼ばれ、腕の内側が痛む症状です。
テニス肘の具体的な症状としては、物を持ち上げる動作や、タオルをしぼるような動作をしたときに、肘の外側から前腕にかけて痛みが生じます。名前こそテニスとついていますが、テニスをする人だけでなく、誰でも発症する可能性がある病気です。
基本的には安静にしていることで回復しますが、適切に対策を行わなければ長引くケースもあるため、早期のケアが大切です。
テニス肘になる原因
テニス肘の主な原因は、前腕の伸筋群の使いすぎです。腕の外側には、短橈側手根伸筋(たんとうそくしゅこんしんきん)と呼ばれる筋があります。この筋は細くて弱い筋肉のため、損傷しやすく、とくに痛みの原因となりがちです。
手首をねじったり、筋を伸ばしたり縮めたりすることによって、短橈側手根伸筋など、肘の外側にある手首を上に反るための筋肉群に負担がかかり、炎症を起こします。
手首に負担がかかる動作を行ったときに発症しやすく、その名のとおり、テニスやラケットスポーツを行う人に多くみられます。
一方でテニス肘は、スポーツ以外にも、デスクワークや日常生活でも発症する可能性があります。具体的には、下記のようなケースです。
・長時間パソコン作業をする
・長時間車を運転する
・スマホの使いすぎ
たとえば、長時間のパソコン作業で手首を反った状態での操作や、長時間同じ姿勢でいることによって、腕や肘に大きな負担がかかり、炎症を起こすことがあります。
テニス肘の対策方法
テニス肘の原因は使いすぎによる炎症のため、安静にしていることが肝心です。しかし、仕事や日常生活で腕を使わずに生活するのは、なかなか難しいでしょう。
安静にする以外の対策方法としては、次のようなものが考えられます。
テーピングなどをして、肘に負担をかけないようにする
自分でできる簡単な対策に、テーピングによる固定があります。テニス肘の主な原因は、使いすぎによるものなので、肘に過度な負担がかからないようにテープで固定します。
テニスやその他のスポーツは休止する
安静にすることが第一のため、テニスやゴルフなど、腕を使うスポーツをしている場合は、痛みがなくなるまでお休みしたほうがよいでしょう。
筋膜リリースやストレッチを行う
ストレッチなどを行い、痛みの原因となる筋肉をほぐすことで、痛みを和らげられます。
薬や注射などで痛みを抑える
薬やステロイド注射によって、炎症を抑える方法もあります。ただし、ステロイド注射は炎症を強力に抑える一方で、組織をもろくするデメリットがあり、逆にテニス肘が治りにくくなる可能性もあります。注射を考えている場合は、医師とよく相談してください。
姿勢やデスク環境を見直す
テニス肘は、普段の姿勢も大切です。姿勢が悪く、猫背や巻き肩になることで、気付かないうちに筋肉に余計な負担がかかり、肘や手首に炎症が起きやすくなります。
正しい姿勢をキープするためには、デスク環境の見直しも有効な手段です。椅子が座りにくかったり、モニターの高さが適切ではなかったりすることで、知らないうちに姿勢が崩れてしまう可能性があるからです。
ストレッチや筋膜リリースを続けてもなかなか痛みが引かない場合は、デスク環境が自分にあっているか確認してみましょう。
面取り加工デスクマットを使用する
面取り加工されたデスクマットを使用することは、デスク環境を見直す最初のステップとして有効です。デスクマットとは、机の上に敷くビニール製のシートです。
デスクマットがない机での作業は、天板の角に腕が直接当たることで、痛みや疲労感を感じる原因となります。デスクマットを敷くことで、パソコンのタイピングやデスクワークなどで、腕が天板の角に触れることを防げるでしょう。
面取り加工されたデスクマットは、デスクマット自体の角がカットされているため、通常のマットよりもさらに腕に優しく、手首の負担軽減が期待できます。また、音や振動を抑えることで、作業環境を快適にしてくれます。
肘置き・クッションを使用する
天板よりも肘の位置が下がった状態での作業は、肘や手首を常にねじった状態になり、腕に負担がかかります。
このようなデスク環境で作業をしている場合は、肘置きやクッションの導入をおすすめします。肘置きやクッションを取り入れることで、長時間の作業でも疲れにくくなり、正しい姿勢を維持しやすくなるでしょう。
最近では、机にクランプするような形で簡単に設置できる肘置きが、安価で販売されています。こういったアイテムを導入することで、肘をひねらずに正しい姿勢で作業ができ、肘の負担軽減に役立つでしょう。
アームレスト付きチェアを使用する
机にクランプして肘置きを設置するのは有効な手段のひとつですが、設置場所をとってしまったり、机から離れるときに邪魔になったりするデメリットもあります。
そんなときは、肘置きつきの椅子を使用しましょう。最初から肘置きがついている椅子を導入することで、別途肘置きやクッションを設置する必要がなく、場所もとりません。
アームレスト付きチェアを選ぶときは、高さの調節だけでなく、角度や幅が調節できるものを選ぶと尚よいでしょう。腕の長さや体格は人によって異なるため、調整できる要素が多い製品を選んだ方が、より自分に最適なポジションに設定できます。
机と椅子の高さを調節する
机と椅子の高さは、テニス肘の予防や改善においてもっとも重要な要素のひとつです。机に対して椅子の高さが合わない場合、猫背や巻き肩になってしまい、筋肉に余計な負担がかかります。
机と椅子の高さは、肘が直角になる高さにすることで、肩への負担が軽減されます。一度自分の座り方をチェックしてみましょう。
モニターの位置や距離を調節する
モニターの位置や距離は、正しい姿勢の維持に大きく影響します。モニターの位置は、高すぎても低すぎても、首や肩に負担がかかり、疲れやすくなります。腕は首や肩ともつながっているため、テニス肘にも影響があります。
モニターの位置は、うつむかない程度にやや目線が下になるように調節し、モニターとの距離は50〜60cmほど離れた距離が最適とされているため、ご自身の作業環境を確認してみてください。
デスクの理想的なサイズをご存じでしょうか。自宅や職場で利用するデスク選びのポイントを、こちらの記事で解説しています。
ストレッチをする
姿勢が悪い状態では、首や肩の筋肉は緊張してしまいます。腕や肘は、首や肩とつながっているため、筋肉の緊張はテニス肘にとっても好ましくありません。
したがって、長時間同じ姿勢を続けている場合などは、定期的にストレッチをするようにしましょう。長すぎるストレッチは、逆に筋肉を疲れさせてしまう可能性もあるため、ストレッチの時間は10分程度にすることをおすすめします。
まとめ
本記事では、テニス肘の原因や解決方法をご紹介しました。テニス肘は、スポーツをしている人だけでなく、オフィスワークが多い人にも多く発症する症状です。肘の酷使が原因とされているため、テニス肘を改善するためには、肘に余計な負担をかけないことが大切でしょう。
すぐにできる解決策のひとつとして、デスク周辺環境の見直しがおすすめです。とくにデスクマットはマウスやキーボード操作などの際に、手首が直接触れるものですから、そのクオリティは重要です。
「テーブルマット匠」では、熟練した職人が机のサイズに合わせて、オーダーメイドでカット致します。また、表面をコーティングしているため、デスクマット特有のベタベタ感も少なく、長時間の作業でも快適にご使用いただけます。
良質なデスクマットを敷くことで、マウスやパソコンがズレなくなり、腕や肘に余計な負担がかかることを防げるでしょう。ぜひ一度ご相談ください。