机を汚れや傷から保護してくれるデスクマットは、暮らしに役立つ便利なアイテムです。しかし定期的な掃除やお手入れをしなければ、見た目が汚くなってしまいます。
インク跡や頑固な汚れは、薬剤やメラミンスポンジなどを使わないと落とせない場合があります。
今回はデスクマット掃除のお役立ちアイテムや汚れごとの掃除方法、マットの種類、お手入れの注意点などを紹介します。
デスクマットの汚れを落とす際に役立つ道具
油性マジックのインクや時間が経った汚れなどは、デスクマットにこびりついて水拭きだけでは取り切れない場合があります。新品のようなきれいな状態に戻したいなら、以下のような掃除道具が役立ちます。
・シンナー
・コットン
・マイクロファイバークロス
・中性洗剤
・重曹水
どんなもので汚れているか、汚れの程度や大きさなどによって、必要な道具を選んで汚れを落としていきましょう。頑固な汚れを落とす時にはマットの表面を削らないようゴシゴシと力を入れてこするような掃除方法は避けましょう。
不安な方は表面を優しく拭き上げられるコットンや、マイクロファイバークロスなどを使用する方法がおすすめです。デスクマットは丸洗いも可能なので、中性洗剤や家庭用洗剤を使ってお風呂場などで洗う方法もあります。
デスクマットの印刷汚れの落とし方
雑誌や写真・印刷物(プリント)のインクやトナーなどの写りや転写による汚れや油性マーカーや油性ボールペンなどの汚れ消しにはエタノールや除光液(クレンジングオイル)などとコットンが効果的です。
使用するのは、純度が高い無水エタノールや除光液・クレンジングオイルやシンナーなどが適しています。汚れ部分に直接垂らして拭くか、コットンに含ませて拭き上げます。
ただ、無水エタノールや除光液・シンナー等は揮発する性質を有しているので、素手で触れると手が荒れてしまう危険があります。使用の際は必ずゴム手袋を着用して掃除を行ってください。さらに揮発によって薬剤中の成分が混入するので、気分が悪くならないよう換気を十分に行い作業をしましょう。
また、上記方法は一部素材のデスクマット表面を溶かしてしまう恐れもあり注意が必要です。使用の際には目立たない所で予めテストするか、販売店に確認するなど事前に確認が必要になります。
エタノールなどをすぐに準備できない場合には、重曹水でもインク汚れを落とす効果が期待できます。
デスクマットの印刷汚れ以外の落とし方
汚れには皮脂や鉛筆、水性インク、接着剤やシール跡などさまざまなものがあります。落とし方は汚れの種類や程度によって異なるので、正しい対処法を選ぶのがポイントです。
また、良く使う場所であればそもそも「汚れづらく汚れを落としやすいデスクマット」を買うことがもっとも重要です。
皮脂や手垢汚れの場合
皮脂や手垢などはデスクマットで最も気になる汚れの一つです。デスクマットの見た目が悪くなるので、素早く対処しましょう。
皮脂や手垢の軽い汚れであれば通常は水拭きや重曹水を使用して、簡単に拭き取ることが可能です。やや頑固な場合には石けんや家庭用洗剤・重曹水などを使用します。石けんなどはアルカリ性なので酸性の皮脂汚れに対して高い効果を示します。重曹は消臭効果も有しているので、デスクマット掃除の仕上げにもおすすめです。
水拭きに使用するのは、台ふきんやティッシュ・コットンなどなんでも構いません。水で湿らせて汚れの部分を軽く拭き、仕上げに乾拭きを行えば掃除完了です。
鉛筆汚れの場合
子どもの勉強机や書き物を良くする机などに敷くデスクマットでは、鉛筆の汚れに悩まされることがあります。酸性である鉛筆汚れは、通常は水拭き等でのお掃除で落とすことができます。
時間が経過したり頑固な鉛筆汚れの場合には石けんや中性洗剤・重曹水やアルカリ電解水などアルカリ性の汚れ落としを使って拭くとキレイに汚れを落とすことが出来ます。
水性インク汚れの場合
ボールペンやサインペン・マーカーなどの水性インクの汚れ消しは、ついてすぐの場合は水拭きでも落ちますが時間が経ってしますとなかなか落とせません。汚れている部分にアルカリ性洗剤・石けん・中性洗剤などを使い、優しくていねいに拭き取りましょう。
上記の洗剤を使用しても汚れが残ってしまう場合には、エタノールやアルコールの使用がおすすめです。頑固な汚れもきれいに落とすことが出来ますが、一部のデスクマットでは変質のおそれもありますので注意が必要です。事前に確認等を行って使用しましょう。
シール跡汚れの場合
デスクマット上のシールを剥がした際、うまく取れずシール跡として糊や接着剤が残ってしまう場合があります。シール跡が残ると見た目が悪くベタベタして使用感が損なわれてしまうでしょう。
シール汚れには、ハンドクリームや中性洗剤などが効果的です。ハンドクリームや中性洗剤をベタベタの面に塗りこんで10分程度放置した後、布やティッシュ等で表面を優しくこすり汚れを落としていきます。
上記でもシール跡が取り切れない場合には、シール取り用スプレーやエタノールなどの使用も一つの方法です。剥がしたいシール跡につけて、しばらくしたら乾いた布やティッシュなどで拭き取ります。
ただし、シール取りスプレーはデスクマットを溶してしまう恐れもあります。シール剥がしの使用上の注意点をよく読み、十分確認した上で使うようにしましょう。
裏写りや転写による汚れの場合
透明なデスクマットにプリントやメモなどを挟む事で起きるインクやトナーの裏写りや転写の汚れを落とすには、前述した印刷汚れの落とし方や水性インク汚れの場合などを参考に行います。主にアルカリ性の洗剤やエタノール系の薬剤を使用する事で油性・水性問わず裏写りや転写をしたインクの汚れを落とすことが出来ます。
ただ、このような裏写りは長時間経過した汚れですので、優しくゆっくりと丁寧に作業を行うことでデスクマットの変質を最小限にしてきれいに落とすことが出来ます。
デスクマットの汚れを落とす際の注意点
溶剤や薬品によってはデスクマットの表面を溶かしたり変質させてしまうので、それぞれの掃除用品の使用方法をよく読み適切に使用しましょう。
とくに除光液やシンナーなど溶剤系の取り扱いには十分な注意が必要です。これらは効果は高いですが、一部のデスクマットの表面を溶かして白化や光沢感を損なってしまう可能性があります。
デスクマットの汚れ落としの基本は、まず汚れを発見したら適切な道具ですぐに落とす事を心がけましょう。
溶剤や薬品の使用方法を必ず確認する
エタノールのような薬品を扱う際は、商品に記された使用方法を確認の上で使用してください。また、お使いのデスクマットの素材などを確認しアルコール・除光液・シンナー等の薬剤が使用可能か確認することも必要です。
確認については、実物のデスクマットの目立たない所でテストするか、デスクマットの販売店などに確認して使用可能かどうかをチェックしましょう。
無水エタノールや除光液・シンナーなどは特に揮発性が高く非常に引火しやすい溶剤の為、注意して作業を行う必要があります。
また、揮発性が高いものは、保管方法や保管場所にも充分な注意が必要です。薬剤を放置しておくと揮発してしまいますし、刺激が強いため、誤飲はもちろん目や粘膜に付着すると大変危険です。幼い子どもの手が届く場所には保管しないよう心がけましょう。
ついた汚れを放置せずになるべく早く汚れを落とす
時間が経てば経つほど、どの汚れも落としづらくなるため見つけたらできる限り早く掃除をしましょう。色素や汚れがマットの内部に浸透・定着してしまうと薬剤や道具では汚れを落とせなくなってしまう事もあります。本来は机・デスクについてしまうはずの汚れや傷を保護する目的のデスクマットですから、365日24時間常にきれいな状態を保つのは非常に難しいです。
毎朝マットを拭く、1週間に一度はデスク周りを掃除するなど定期的なメンテナンスの実施をおすすめします。
汚れを擦りすぎない
デスクマットに傷をつけないよう、こすりすぎには気を付けましょう。メラミンスポンジや重曹など研磨作用を有している洗剤もあり、マットの表面まで削り取ったり溶かしてしまう恐れがあります。
デスクマットの汚れ落としでは、ていねいさや優しさを重視するのがポイントです。
汚れがひどい場合には、汚れないデスクマットに買い替える
汚れがひどい場合には、汚れないデスクマットに買い替える
日々使っているデスクマットは、どうしても経年により汚れが蓄積されていきます。長く愛用したデスクマットを思い切って新しいものに買い替えてみるのも一つの方法です。
デスクマットによっては、あらゆる汚れを防ぐために非転写加工が施されたものや、傷にも強いコーティングがされ印刷物を挟んでもインクが裏写りしないマットもあります。長期にわたってキレイな状態のまま使用できるマットを探して購入してみるのも良いでしょう。
当店の「デスクマット匠」も両面特殊コーティングで非転写加工を施したマットとなっています。買い替えの際には是非ご検討下さい。
デスクマットの種類
デスクマットを素材によって分類すると、次の4つに分けられます。
・オレフィン系樹脂デスクマット
・ポリウレタン系デスクマット
・塩化ビニル製デスクマット
アクリル製デスクマットは硬く、鉛筆やクレヨンなどの軟筆でもしっかりと書くことが出来ます。一方その他のマットは比較的やわらかく、ボールペンや万年筆のような硬筆での筆記に向いています。ポリウレタン系は手触りがよく上質で、塩化ビニール製は透明感と加工性に優れたタイプです。
アクリル製デスクマット
アクリル製のデスクマットは耐久性や非転写性に優れ、インク汚れがつきにくい商品です。厚みと硬さがあるマットがペン先をしっかりと受け止めるため、鉛筆やクレヨンなどでもサラサラと書けます。透明度が高く綺麗な見た目と挟んだ書類が確認しやすいなどのメリットがあります。
しかし、アクリル製マットはエタノールなどのアルコール製品が使用できません。(白濁や返信が起きてしまいます。)その為、汚れを落とす場合にはアルコールを使用していない洗剤などを選んで使用する必要があります。
また、硬いため擦れによる小傷が目立ってしまうのもアクリルのデメリットとなります。
オレフィン系樹脂デスクマット
オレフィン系は、軽量で耐薬品性に優れた特性があり、焼却処理を行ってもダイオキシンや塩素ガスがほぼ発生しない環境にやさしいデスクマットです。
比較的柔らかいデスクマットが多く、ペン先が硬いボールペンや万年筆での筆記に向いていて、紙に引っかからずスムーズに書けるのがポイントです。表面裏面ともに非転写加工が施された商品もあり、印刷紙を挟んでもきれいな状態で長期間使用できます。
ただ、一般的には透明度は低いものが多く、変形しやすいというデメリットもあります。
一部のオレフィン系のデスクマットはアルコール系薬剤が使用不可の場合があるので注意が必要です。
ポリウレタン系デスクマット
ポリウレタン系デスクマットは伸縮性や通気性を有し手ざわりがよいのが特徴です。いわゆる合皮と呼ばれる素材でシックなタイプからカラフルなものまでデザインが豊富で本革のような見た目のものもあり、質感もよいのでインテリアとしても機能しデスクや小物を引き立てたい時に使えます。
ただデメリットとして、高温多湿の環境に弱く、加水分解によって表面が劣化することです。また、アルコール使用によっても加水分解や変色を起こす可能性がある為注意が必要です。
塩化ビニール製デスクマット
塩化ビニールは現在、透明なデスクマットに広く採用されています。耐久性(耐候性、耐水性、耐薬品性、耐疲労性)に優れ、加工に適した素材で、透明度や色のバリエーションも豊富です。非転写加工や表面コーティング加工・光学マウス対応など特殊な機能を持った商品も登場しています。かつては環境への影響を懸念された塩化ビニールですが、現在では環境に優しく安全に使う事が出来ます。
デメリットは他の素材に比べて耐熱温度が低い点や、除光液やシンナーなどの有機溶剤で溶けてしまう事があります。
デスクマットの選び方
デスクマット選びで失敗しないためのポイントを紹介します。
・べたつかないか
・インク写りは防止できるか
・お手入れはしやすいか
・国内製のものか
デスクマットは日々使用するアイテムなので、汚れない・傷つかない・お手入れしやすいマットを選びたいものです。表面のべたつき感にも配慮すると腕や机に置く器具を動かす際にも快適に使用できます。事務作業が多い方はインクの転写防止機能もついているか確認しましょう。
汚れや傷に強い素材で作られているか
机・デスクを保護する目的のデスクマットは汚れや傷がつきにくい素材が適しています。
現在市販されているデスクマットはほとんどの商品が傷や汚れに強い素材で販売されています。見た目や機能が好みのものであるかを判断基準として決めていきましょう。
またデスクマットは表面コーティングを施すことで、耐久性や機能性を高めることも可能です。例えば塩ビのデスクマットにポリウレタンUVコーティングを行うと傷付くリスクを減らせるだけでなく、表面のべたつきの防止や転写の防止も期待できます。これによりデスクマットだけでなくオフィスの応接テーブルやレストランのカウンターなど広い用途で使用することが可能できるのでおすすめです。
べたつかないか
デスクマットの表面がべたつくと腕に貼りついたり、コップなどを置いた際に動きが悪く使用感を大きく損ねます。とくに汗をかきやすい夏場の作業では、べたつかないかが快適さを大きく左右します。できる限り表面がサラサラした商品を選びましょう。
こちらも特殊コーティングや非転写加工により、滑走性を高めたマットがあります。
インク移りは防止できるか
デスクマット上では書類や印刷物が常に置かれ、ボールペンやインクを使った作業も頻繁に行われるので、インク移りには特に配慮が必要です。「長期間きれいに使用したい」「オフィスで事務作業に使っている」などの場合、両面非転写タイプが特におすすめです。両面にわたってコピー用紙や印刷物によるインク汚れを防いでくれるので、長期間きれいな状態でマットを使用することが出来ます。
非転写タイプとは、デスクマットの表面に特殊な加工を施し、書類や印刷物のインクや塗料がマットに転写しにくい加工がされているものを指します。
ただ、比較的コストが高い傾向があるため費用を抑えたい方は片面のみ非転写加工タイプなどもあります。
書類や資料をマットに挟んで使用する機会が多い場合は、両面非転写のものを選ぶのがおすすめです。
お手入れはしやすいか
デスクマットは汚れやホコリの付着が避けられないため、お手入れのしやすさは重要なポイントです。洗剤や薬品など広く使う事は可能か?汚れがひどい場合には丸洗い可能なタイプなのか?など様々な観点から検討しましょう。
特に素材によって、使用可能な洗剤や薬品は異なります。デスクマットの用途や使用環境に合わせて適切なものを選んでいきましょう。
良く使うデスクであれば比較的高価でもお手入れの幅が広いマットを選ぶ方がトータルコストでは安くなる事が多いため、あまり安すぎる商品を選ばないように注意しましょう。
国内製のものか
デスクマットは現在国内・海外問わず広く生産・販売されています。国外生産のものは機能が限定されている反面、比較的安価なものが多く手に取りやすい商品が多いです。
一方、国内生産や日本製のマットは、高価ですが機能性が高くオーダーメイドでピッタリなサイズにカットしてくれる高い付加価値を備えたマットもあります。
デスクは仕事や趣味などを行う場所として日常生活の多くを過ごす場所です。気になる点があると落ち着いて作業しにくくなってしまうため、用途や使用時間などを考慮し、予算とのバランスをみながら適切なマットを選びましょう。
まとめ
デスクマットの掃除は定期的な水拭きや乾拭きでほとんどの汚れを落とすことが出来ます。
ただ、頑固な汚れでは水拭きでは落とし切れない場合があります。その場合には、マットの素材を良く確かめた上で汚れとマットに対して適切な洗剤や薬剤、道具を使って上手にお手入れをしていきましょう。
汚れを放置しないために重要なのが定期的なメンテナンスです。毎回の掃除は大がかりにならなくてもよいので、こまめに簡単な手入れを習慣づけましょう。
また、デスクマットを選ぶ際に転写や裏写りしない、お手入れがしやすいマットを選ぶのもおすすめです。買い替えの際には、透明感が高く、特殊コーティング・両面非転写加工・オーダー可能な高機能な当店の高級デスクマット匠も是非ご検討下さい。